シルバーウィーク最終日は岡田敦さんという写真家の展覧会「ユルリ島の馬」を見てきました。
ゆ、ゆるり島?
なんともかわいい名前のこの島は
北海道・根室半島の沖合に浮かぶ無人島。
かつてユルリ島では人間と馬たちが
農業と漁業の大事な相棒として共生していました。
しかし経済の発展、時代の移り変わりとともに人間は去り、
馬たちだけがとり残されることに。
そんな島と馬たちの姿を記録した写真は
とても幻想的で、神聖な気持ちになりました。
立て髪が伸び切った白馬は神々しく、息を呑む美しさ。
ミネラルをたっぷり含んだ草を喰み、悠々と島を駆け回り、
生を謳歌してきた雌馬たち。
彼女たちがやがて骨となって朽ち果て、
最後の一頭になるまでこの島で生きていく姿を想像すると
現代のお伽話のようにも思えました。
フォトサロン向かいの大通公園では現在
北海道の秋の味覚とお酒が楽しめる「オータムフェスト」の真っ最中。
まぁちょっと寄ってみますか…と
見事な秋晴れの空の下
サッポロビールのSORACHIの生とフレンチのお皿で乾杯。
その後ほろ酔いで家まで歩いて帰って
今日の歩数は1万歩でした。
こんな掘り出し物に出会えることがあるから昔の映画をチェックするのはやめられません。
日本未公開だった1985年のブラジル映画「星の時」4Kリマスター版がシアターキノで上映されるとのことで、早起きして出掛けてきました。
はじめてフライヤーを見た時「フランス映画かな?え、ブラジル映画なのかぁ。アメリみたいなかわいらしいお話かな?」と期待しました。でも、全く違って暗めのトーンの悲しいお話だったので、フライヤーから受けた印象と違うことに驚きました。
この色調。アキ・カウリスマキの映画のワンシーンみたい。
洋服のコーディネートから調度品にいたるまですごく好みで!
こっちなんてあざとくないウエス・アンダーソンのような配色。
(ウエス・アンダーソンはそのあざとさが良いのですが)
私はとくに60年代〜70年代のフランス映画の色調や音楽がすごく好きで
大きな影響を受けています。
これは40年前のブラジル映画ですが、
やっぱり昔の映画が醸し出す空気っていいなぁと思いました。
このおっちゃんが抱えているモケモケの巨大ぬいぐるみなんて、ださ可愛くてキュンとなります。
むかーし父がこんなケバい色味の変なぬいぐるみをお土産に買ってきてくれたなぁなんて、
懐かしさを感じました。
このおっちゃん、最高にクソ男なんですけどね!
(ネタバレになるといけないので詳しくは書きません)
どうしようもない、やるせなさに気怠くなる内容ではありましたが、
そこがまた記憶に残る映画になりそうです。
漫画はもちろんアニメ版も素晴らしかった「ルックバック」
このたび是枝裕和監督が実写化した映画を観てきました。
原作者・藤本タツキの故郷、秋田県にかほ市の大らかな田舎の景色が、ふたりの少女の心象風景と重なってグラデーションをつけていくところは本当に美しくて、これぞ是枝監督という感じがしました。
中学生コンビの漫画家として鮮烈なデビューを飾り、以降も快進撃を続けるふたりが
やがて進む道が変わってきてしまうまでを描いた青春物語。
そして京都アニメーションでのあの忌わしい出来事が裏モチーフにあることもあって「漫画家やアニメーターなどの創作者へのリスペクト」が根底に流れる熱い作品でもあります。
是枝監督はその部分が伝わるように、ふたりが漫画を描き続ける日常のシーンをとくに丁寧に描いていたように感じました。
劇中に感じるさまざまな「音」も印象的でした。
カリカリカリ…というつけペンで線を描き込む音や紙が捲れる音、
クラシックギターやストリングスの劇伴音楽も。
原作ではさらっとしか登場しない小学校の教師(宮藤官九郎)や
集英社の伝説の編集者(菅田将暉)の描き方に膨らみを持たせたのにも意味があったし、
原作の世界が理想的に実写化されていると思いました。
なにより子供時代〜大人になるまでの主役の少女たち4人の俳優がみずみずしくて。
特に京本役の蒔田彩珠の繊細な演技は光っていました。
先日の旅行、新千歳空港〜福岡空港の往復4時間半の機中で読み終えた本「世界の果ての本屋さん」。ルース・ショー著 (晶文社)
70歳を超えてからニュージーランドの最南端の湖のほとりに本屋さんを作った女性の実話で
今も彼女は本屋を訪れる住民や旅人におすすめの本を選んだり、人生を語るなどして元気に暮らしています。
この方、この地に辿り着くまでは、若い頃から実に波乱万丈な生き方をしてきました。
2度逮捕されたり、海賊に襲われたり、4度も結婚したり!いつか映画化されるのではと思うほどのそれはそれは激しい人生です。
でもそれは幼い頃から逃避せざるを得なかった不幸な出来事やトラウマが多くの原因になっていたのです。そのことに胸を痛めながら読み進めました。
(4度、いや5度か。何度も結婚した人といえばドラマ「Tシャツが乾くまで」のさっちゃんを思い浮かべますが、ちゃんとそこに至る背景が丁寧に描かれているところがドラマとは違います)
ニュージーランドといえば行くのも難しくなさそう。いつかこの小さな本屋さんに足を運んでみたいなと、そしてルースさんにも会ってみたいと思いました。
世間的にはジブリ映画「かぐや姫の物語」の挿入歌を歌ったことで知られているミュージシャンかと思います。
二階堂和美さん。
広島から15年ぶりに札幌にライブをしにきてくれました。
会場は15年前と同じPROVOというライブハウスで、その時も一緒に見た友人と。
狭いライブハウスの一番前という特等席で、極上の時間を過ごしてきました。
ニカさん(親しみを込めてファンは二階堂さんをこう呼ぶ)は
2022年に夫でミュージシャンのガンジーさんを突然の病気で亡くしています。
何年もとても音楽どころではない日々を過ごし、悲しみ苦しみながら、
また新しい音楽を作れるようになったそうで、
2026年の今年、アルバム「潮汐」を発表しました。
今回はこのアルバムをひっさげてのライブツアーだったので、
喪失から再生までの思いが歌から真っ直ぐに伝わってきました。
そして会場全体が共感と癒しの空気に包まれるという、素晴らしいライブになりました。
ニカさんはシンガーである同時に、
ご実家である広島県大竹市にあるお寺の住職もされています。
いつもは法話で檀家さんたちの心を癒しているであろうニカさんが
「札幌のみなさん温かい…おかげで歌うことが最高なんだとまた思えました!
札幌最高!ありがとう!」と
何度もお礼を言っては全身全霊で歌ってくれました。
私もライブで泣くなんて、久しぶりのことでした。
この日はちょっと面白い奇跡的な出来事もありました。
友人が着てきた白いミナペルホネンの素敵なトップスと全く同じものを
ニカさんも偶然着てきたんです。
ニカさんがふだんからミナの洋服を愛用しているのは知っていましたが、
テキスタイル数が3000以上ある中で、アイテムまで全く同じものを着てきたということには
本当にびっくりしました。
これはニカさんが「写真撮ってー!」と言ってくれたので急いで撮った一枚です。
(お顔ちょっと失敗しちゃったので下のみにしました)
ダンスは妖精のようにかわいらしく
微笑みは菩薩のように優しい二階堂和美さんに会えて、
私も日々の溜まっている心の汚れがすっかり浄化されたような気分です。