漫画はもちろんアニメ版も素晴らしかった「ルックバック」
このたび是枝裕和監督が実写化した映画を観てきました。
原作者・藤本タツキの故郷、秋田県にかほ市の大らかな田舎の景色が、ふたりの少女の心象風景と重なってグラデーションをつけていくところは本当に美しくて、これぞ是枝監督という感じがしました。
中学生コンビの漫画家として鮮烈なデビューを飾り、以降も快進撃を続けるふたりが
やがて進む道が変わってきてしまうまでを描いた青春物語。
そして京都アニメーションでのあの忌わしい出来事が裏モチーフにあることもあって「漫画家やアニメーターなどの創作者へのリスペクト」が根底に流れる熱い作品でもあります。
是枝監督はその部分が伝わるように、ふたりが漫画を描き続ける日常のシーンをとくに丁寧に描いていたように感じました。
劇中に感じるさまざまな「音」も印象的でした。
カリカリカリ…というつけペンで線を描き込む音や紙が捲れる音、
クラシックギターやストリングスの劇伴音楽も。
原作ではさらっとしか登場しない小学校の教師(宮藤官九郎)や
集英社の伝説の編集者(菅田将暉)の描き方に膨らみを持たせたのにも意味があったし、
原作の世界が理想的に実写化されていると思いました。
なにより子供時代〜大人になるまでの主役の少女たち4人の俳優のみずみずしくて。
特に京本役の蒔田彩珠の繊細な演技は特別に光っていました。