このページでずっとお知らせしてきた個展「面影アパートメント」と「絵本とわたし展」は、明日11/5オープンの日を迎えることとなりました。
とくに個展は夏の始まり頃から準備してきたので「まだまだ大丈夫」と思って余裕を感じていました。
しかし10月も後半となるとやることがたくさんあることに気づき、少しの焦りと「いよいよだな」という高揚感を同時に抱いています。
嘘とミシンの北海道在住のお客さま、はじめての方、懐かしい方、老若男女みなさまに「ただ遊びにいくだけでも楽しめる展覧会」にしようと思っています。
「面影アパートメント」にはおなじみヴィンテージファブリックを使ったポーチもたくさん並びます。
あと10点は足したかったのですが20点が限界でした…!
今まで人気のあった柄、新しい柄、大きいの小さいの、初日から全部お出しします。
それでは、展覧会に関するお知らせを掲載します。
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ここはいつの時代かも分からない
どこか架空の国に5日間だけ存在する「面影アパートメント」。
嘘とミシンのはじまりから現在までに生まれた作品の中から代表的なものを選び
たくさんのお花や雑貨とともにこの部屋に散りばめました。
ひとつひとつの作品の奥にある物語を想像しながら
この空間に住む女性の面影を探していただけましたら幸いです。
《作品の販売につきまして》
⚫︎白いキャプションがつけられた作品は全て今回のために新しく制作した販売品です。
同じ種類のものでも、ひとつとして同じものはないため
多くの方に見ていただきたいと思っています。
そのためもしもお気に召した作品がありましたら、お買い上げの上
会期終了後のご配送でのお渡しになりますことを、ご了承くださいませ。
⚫︎尚「はぎれチャーム」につきましては、本日お持ち帰りいただけます。
⚫︎ピンクの紙で縁取られたキャプションがついている作品は非売品です。
⚫︎お支払いは現金、クレジットカードのタッチ決済がご利用になれます。
札幌市資料館、11/5からの5日間は嘘とミシンの個展だけでなく、「絵本とわたし展」も同時開催されます。
絵本作家、イラストレーター、グラフィックデザイナー、彫金家、画家、ジャンルの違う作家たちが集い、一冊の絵本をテーマにそれぞれが自由に創作、作品を展示するという展覧会です。
なんと今年で10周年。私も1回お休みしたのを除き毎回参加している展覧会です。
しかも今年は私と同じく、他の参加メンバーも個展を開催するという豪華な5日間になります。
それぞれの作家さんのファンの方や毎年絵本展に足を運んでくださる方々が集まり、
資料館がとても賑わうことになることでしょう。
10回目の「絵本とわたし展」嘘とミシンは海にまつわる、
ある一冊の絵本をテーマにした作品を仕立てました。
第1回目の懐かしい作品「ねないこだれだ」(せなけいこ作絵)をテーマに制作した
懐かしのおばけバッグとともに、今年の新作を展示する予定です。
どうぞ個展も絵本展も。はしごして楽しんでいただけたらと思います。
さてここからは、おととい行って来た東京のことを。
旅のお話はいつもならブログ「風に乗って空を泳ごう」にたくさんの写真とともに記しているのですが、
展覧会準備中につき、こちらに短めに綴ろうと思います。
今回の日帰り上京旅の目的は、ミナペルホネン の春夏コレクションの予約展示会と、
スタイリスト大森伃佑子さんと山本マナさん、グラフィックデザイナー・NEWTONE、
写真家・戎康友さんの企画展「COPY ©︎」を見ること。
そしてたまたまこの日仕事が休みだった姪と会うこと!
姪とは表参道スパイラルビルにある「家と庭」で楽しいランチをしたあと
雨の中彼女の的確なナビにより青山一丁目のギャラリーTROLLEYへ。
「COPY©︎ 私たち、自分をコピーしました。」
青山霊園のすぐそば、金木犀の香り芳しい住宅街にひっそりと佇む、ギャラリーTROLLEY。
私は大森伃佑子さんのスタイリングがOlive時代からずっと大好きで、
今もその仕事に憧れと尊敬の念をもって見つめています。
多くの雑誌で展開されてきた誌面をcopyしたものをギャラリー中にラフに展示するという試みが、
なんだか東京ぽかった!
すごいクリエイターたちのすごい仕事の写真をあえてコピー用紙でラフに展示して、
「なんならそのコピー作品とかTシャツも販売してるから持って帰ってー」っていうところも含めて、TOKYO。
目の奥が熱くなり、元気が湧いて来ました。
ずーっと個展のために初夏からノンストップで針仕事をしている現在の私は、
まるで「夕鶴」のおつうのように身体中の養分がカラカラになり、だいぶ萎んできていたので。
「今日着ている服を次に着る日が楽しみになるように」
これから冬だというのにファッション業界は来春のコレクションが発表されています。
でもやっぱり春夏ものには心に羽が生えたようにワクワクさせられます。
ミナペルホネン の2026春夏コレクションテーマは
「今日着ている服を次に着る日が楽しみになるように」。
暑い時期が長くなってきた気候変動に合わせて素材や形状にも柔軟に変化を持たせつつ、
身にまとうたびに幸せな気持ちになれそうな詩情豊かな洋服が多かったです。
個人的にはものすごく好きなものが多い「当たり期」で選択に悩むコレクションでした。
今回の東京で一番嬉しかったのは、姪が私に花束のプレゼントをくれたことでした。
Lovécoというブランドの商品で、洋服の生地で作られたサステナブルフラワーなんです。
「ともちゃんに似合うものを」と一本ずつ選び、ブーケを作ってくれたんだぁー
姪の気持ちに感激する叔母の図をご覧ください。
時にはおむつを替え、息子とシュウマイを取り合って泣くのをなだめ…数々の成長の節目を祝ってきた。
彼女との思い出は数えきれません。
姪との時間は私にとって人生の幸せそのものです。
って、旅行記はやっぱり長くなっちゃいますね!
おしまい
このブローチは作り続けて15年以上、嘘とミシンの作品の中でも古株のブローチです。
「肖像画のようなウサギのブローチを作りたい」と思ったのが最初で、フリルの襟やリボンのヘッドドレスをつけているうちに彼女たちになんだか高貴な雰囲気を感じたので「貴族うさぎ」と命名しました。
たしか「貴族うさぎ」と「ロマンティックガーランド」をいくつか作って札幌の地下歩行空間のマルシェで販売した時が、彼女たちのデビュー日だったかと記憶しています。
高校時代の友だちが買いに来てくれて、すごく嬉しかったのを今でも忘れてはいません。
「うさ貴族」の後に生まれた「ねこ貴族ブローチ」も合わせて今回は6点のみになりますが、ギャラリーに並べます。
このブローチは、後ろ側のどこかにネコ柄やウサギ柄の生地を使用しています。
また、一匹ずつにつけた名前とそれぞれの出身地をタグに明記しています。
持ち主となる方にずっとかわいがってもらえるように、との願いを込めて。
さて、わたくしは今月またひとつ歳を重ねました。
誕生日祝いのディナーの場所を家族にリクエストしていました。
菊水という町にあるビストロで、前から車で通りかかるたびに
パリの街角としか思えないこの外観が気になっていました。
名店の香りがぷんぷん。
その勘は大当たりで、プリフィクス式のメニューには、
フランスのビストロの王道料理がずらっと並んでいました。
選ぶのにちょっと迷いましたが、一皿目は大好きなエスカルゴを。
おいしかったーー!
お店の外に実っていたぶどう(キャンベル)をデザートの一部にしたと仰る
ギャルソンのおじさまも気取らず家庭的で、
でも紳士な態度は崩さないすてきなサービスをしてくれました。
きちんとした銘柄のグラスワインも、昨今の物価高からは信じられないほど控えめなお値段。
これはまたおじゃましなければ、と思わされる名店でした。
Bistrot Petite Région
https://www.petite-region.com/
2003年。息子が生まれた年に祖母が買ってくれた真っ赤な木馬。祖母は他界し、息子はもう木馬にまたがることができないくらい大きく成長したけれど、スッとしたお顔立ちで頑丈なドイツ生まれのこの木馬を捨てるなんて私には考えられず、今は私の部屋で生息しています。
「そうだ思い切って色を変えて、個展の会場でインテリアとして活躍してもらおうじゃないか」そう思いたち、こうしてきれいなピンク色のペンキを塗って生まれ変わらせました。
カゴバッグに吊るしているものはフォークとスプーンの形をしたカトラリーチャームです。
近所の公園の木の枝にひっかけてみました。
カトラリーチャームはバッグにつけたりクリスマスツリーのオーナメントのように使ってもいいし、
壁に一本だけ吊るしても華やかなインテリアになります。
ちなみにフォークは形が面白いからか、スプーンよりも人気があります。
ですので展覧会ではフォークの方を多めに作って展示します。
「材料のお話」
スパンコールとベルベットのリボンの手持ちが少なくなってきたので買い足そうと、大好きな手芸店へ。
そこは、選りすぐりの手芸材料を一粒、少量ずつから販売してくれる
札幌には珍しい個人経営のお店なのです。
店主に「少し大きめのスパンコールはありますか?」と訊ねると
「あー最近あんまり大きいのは流行してないから入ってこなくて…あ!今出してないけどあったわ!」と言って
ストック棚からたくさんの大きめスパンコールを何十種類も出してきてくれました。
四角いの、細長いの、プリングルスみたいなボーダーの彫りが入ったもの…
変わっていてあまり売れず、メーカーでも今後作らないという
珍しいスパンコールが私には全部宝の山に見えました。
そこから店主としばし「手芸雑談」をさせてもらって。
そのお喋りから強く思ったのは「良いと思ったものは迷わず買っとけ」ということでした。
気に入って選んだ小さなビーズやスパンコール、リボン、生地などの材料が
そのあと何年も私の創作活動を支える大事な名脇役になるのですから。
それにしても、ここ数年で急速に日本中から良い手芸店が無くなったり
お店側が高価で個性的な材料を仕入れなくなってきたと感じます。
作家は「この材料じゃなきゃ」という強いこだわりを持って制作をしている人が多いと思います。
私も、愛用していたビーズがメーカーでもう生産されなくなってしまい、
作りたくても作れなくなったアイテムが2点ほどあります。
材料あっての作家活動です。
素敵な手芸店やバイヤーの人たちに今日も感謝しながら
大切な一粒のビーズを針に通し、ミシンで生地を縫い続けていこうと思っています。
写真は手芸店からの帰り道に通った大通公園の薔薇の花です。
「サマーメモリーズ」という洒落た名前がついていていました。
あの暑かった夏を過ごした秋の始まりに最後の力を振り絞って咲くきれいな薔薇。
私の目には少し切なく映りました。
淡いピンクにグレージュのドット。薄くて向こう側が透けて見えるような柔らかな生地を使ったかわいらしいトートバッグができました。
持ち手と内側はペールピンクのサテン生地を使っています。そしてこのバッグにはもれなく「ぶたさんブローチ」がついてきます。
そう、このBoo Boo Totebagは豚さんをイメージしてデザインしたものなんです。
2段のフリルはいつもより少し控えめ、甘さ控えめです。
ピンクのドット生地は薄手と書きましたが、芯地を貼り、持ち手の部分もしっかり頑丈に縫製し、長く使える工夫をしています。
バッグのお好きな場所につけて欲しくて豚さんは固定させずブローチにしました。
もちろん、豚さんをつけずにお手持ちのブローチやコサージュで個性をプラスしてもらえたら、
それもとても素敵です。
ところでこの豚さん、出来上がってから気がついたのですが、「ぶりぶりざえもん」に似てるような…
そう、クレヨンしんちゃんに時々登場する「ぶりぶりざえもん」です。
Boo Boo Totebagは個展「面影アパートメント」で展示販売します。
「花屋で見る夢」
夕飯の買い物帰り、ワインボトルが重かったけど「家に飾る今週のお花を買おう」と思い立ちました。
その時、贔屓にしてるお花屋さんからは少し遠い場所にいたので
「どうしようかな?あ!あそこにいこう」と 一度しか買ったことのないお花屋さんに寄ることにしました。
しかし目当てのお店は17時過ぎでもう閉まっていたのです。
この写真は閉店後の「夜のお花屋さん」の様子です。
誰もいないお店でひっそりとお花たちがこちらを見つめているような、
その美しさを「どうぞ見てちょうだい」と誇らしげに語りかけてくるような。
物言わぬ花たちからそんな気配を受け取りました。
子どもの頃、真夜中のデパートに潜入して、いろんな階を行き来して自由に過ごし、
散々遊んだあとは家具コーナーの大きなベッドで眠りたいと空想を楽しんだものですが
今、もしどこかにこっそり宿泊できるとしたら!
閉店後のお花屋さんの床に布団を敷いて、色とりどりの花たちと一緒に眠りたいと思っています。
ひんやりと寒く静まり返ったお店で、もしかしたら花たちの呼吸の音が聞こえるかもしれません。