東京・中野ブロードウェイにある書店「タコシェ」で買った、
「女の子のためのストリップ劇場入門」著者・奈央こりん(講談社)。
この本では、漫画家である著者が全国のストリップ劇場に赴き、ショーの様子や踊り子さんたちに取材をしているうちに常連客のおじさん達と仲良くなり、その交流についてもレポートしています。
絵もかわいいし、知られざるストリップ劇場の舞台裏が知れる楽しい本です。
私自身も会社員時代、お世話になった広告代理店の支社長にお餞別としてススキノの《道頓堀劇場》というストリップ劇場に連れて行ってもらったことがあります。
初めて足を踏み入れたその場所で、プロの踊り子さんたちの裸のあまりの神々しさと、魅せることへのプロ根性に感動しました。
ストリップは男性だけがこっそり楽しむ淫靡なものという概念が吹き飛びました。
(踊り子さんたちも女性客がいるとより張り切るそうです。)
この漫画の中では、私が感じたのと同じように著者が踊り子さんたちをリスペクトしているのが分かります。
また常連のおじさんたちも、踊り子さんたちをただの性欲の対象として扱うのではなく、敬意を払いつつ照明やテープを投げる仕事をボランティアで請け負って、ステージを盛り上げるお手伝いをしているのです。
どんな職業も、それで食べてる人がいる限り、また誇りを持って働いている限り、他人が蔑んだりするものではないと思うし、よく知らない世界のことを勝手に非難したりすることはやめよう、と改めて思わされた一冊です。
数年前までは、日本中にわずかに残っていたストリップ劇場。
このコロナ禍、劇場や踊り子さんたちがどうなっているのかが気になります。
(同じく、お祭りになると登場するテキ屋さんも、どうしているのだろう…)
ちなみに私が行ったススキノの《道頓堀劇場》は
今はありません。
貴重な文化がどんどん消えてゆくことが寂しいです。
⭐︎本日のお知らせ⭐︎
ブログを更新しました。
また映画の話で恐縮ですが、先日観たヤクザvs.警察の、かなりハードで振り切ってるバイオレンスムービーについて感想を書いています。
時代の流れで消えゆくもの、という意味では暴力団もそのひとつですね。